ぬりえBook「グリム童話の不思議な世界」は、
グリム童話の中から、厳選した41話を取り上げていますが、
その中でも最初のページについて、お話したいと思います。
やはり一番最初にどの童話を持ってくるか?というのは、
とても重要になってきます。
だって!そこが入口なのですから!
やはり夢があり、馴染みのあるお話であるべきだと思います。
そこで、最初のページは、灰かぶり(シンデレラ)と決まりました。
私は、童話の挿絵のように描きたいという強い思いがありましたから、
同じ童話で、複数描く場合は、物語の進行に添ったものにしたいという思いがありました。
そうすると、灰かぶりは、お姉さんにイジメられたり、こき使われるシーンから始まることなります。
しかし、それでは夢がない。最初のページは、夢があるべきだ!
「舞踏会がよいでしょう。」という編集部からの指摘を受けました。
それでは、物語の進行と違ってしまう・・・
夢のあるページにするためには、どうしたらいいのか?とても悩みました。
そして、童話を読み返し、灰かぶり(シンデレラ)の思いに寄せてみます。
灰かぶり(シンデレラ)は、舞踏会へ行きたい。
私も行ってみたいと夢を見ていたのですから・・・
その夢の世界を描こうと思いました。
そうすれば、最初のページに舞踏会を描いても、不自然さはないと考えました。
左上に、掃除の合間に、ネズミと踊りながら、舞踏会の夢を見ています。
その夢の中では、舞踏会のごちそうや、王さまや王女さまのひそひそ話。
向う側には、扇子で顔を隠していますが、灰かぶり(シンデレラ)の悪口を言っているお姉さんがいます(笑)
そして、灰かぶり(シンデレラ)に見とれる人々などを描きました。
制作工程は、こんな感じで進めて行きました。
↓
1.ラフ
かなりざっくりしていて、びっくりしました?
ものすごく雑です(笑)構図をずっと探って、
かなり苦戦したページだったので・・・
次の2.下書きへの変化がすごすぎですよね?(笑)
2.下書き
かなり描きこんだので、舞踏会の華やかさが伝わるかな?
3.ペン入れ
ペンで描きなおすことで、線がすっきり整理されました。
このような手順で、95ページを描きおろしました。
どのページも、とてもこだわりのあるものです。
ぜひ見てくださると嬉しいです。
誰かの大切な1冊になりますように!
ぬりえBook「グリム童話の不思議な世界」Roko/コスミック出版
ISBN978-4-7747-8270-6
全国書店にて発売中
ぜひ書店で、ご覧くださいね。
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